冬になるとすごい光が部屋に射す。
眩しいくらいに部屋の中が光に溢れる。

家を建てるときにサッシは大きくして貰った。
部屋が明るいように。
部屋が暖かいように。

結婚したばかりの頃。
住んでたアパートは一階で
すぐ前には大きな家が建っていて
ちっとも陽なんか射さなかった。

曇りガラスのせいもあったけど
部屋の中はとても暗くて寒くて
曇りガラスに映る木々が怖かった。

母は亡くなったばかりで
知り合いもいない遠い地に引っ越してきて
結婚するまでの1ヶ月くらいかな。
ひとりぽっちで住んでた。

母が亡くなったのは自分のせいだって
毎晩自分を責めて泣いてた。

寂しいから早く引っ越してきてと頼んだのに
彼は寮にいたいと言った。
その時からヒビが入ったと思う。
それがどんどん広がっていったんだろうな。

私の寂しさがこの人にはわからないんだ。
でもそんなことには目を瞑ってた。
この人しか家族はいなかったから。
一生懸命愛したつもりだけど。

2度目の引越しでまたぜんぜん知らない土地。
今度は2階だったから陽は射したけれど。
4歳と2歳の子供と毎日3人だけ。
心細くて寂しくて。
早く帰ってきてほしいと頼んだのに
仕事が楽しいから帰ってきてくれなかった。

悪い人じゃない。
悪い人じゃないけどこのまま愛し続けたら
とても憎んでしまう。
憎みたくないから愛するのはやめた。
それだけ。

今とても暖かい。
炬燵にはいって陽の光をたくさん浴びて
猫と一緒にぬくぬくと寝転んでる。

それでもあの日々は消えないから。
あの時。あれはあれでよかったのだろうか。

あのアパートに住みたくなかった。
あんな暗いじめじめしたアパートにいたくなかった。
あの頃蝕んでしまったものが消えるのはいつだろう。

あの光の射さない住まいに戻るのはとても怖い。
たまに夢でまだ住んでたりする。
その意味はなんだろう。

暖かい陽射しを浴びながら
私はまだまだ赦せないんだなあと思ってしまう。
でも。。。
いつかお互い赦せるだろう。

ちょっとしたボタンの掛け違いだけだから。。。

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彩

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